馬子にも似合わない衣装
あんまりにもロクなライブがないため、カーディガンズを見に行ってしまった。イヤイヤ、これはカーディガンズはロクなバンドだから行ったのである。しかも3年前リクルートスーツのまま彼らを見に行くという失態を犯し、耐えられないほど痛くなった爪先を引きずるようにして途中退場したしまったという苦い思い出もあるにもかかわらずである、念のため。まあ、早い話が2階でのんびりしながら友達4人とカーディガンズの生演奏付き飲み会でもしようと思って行ったんだが、ちょっと勝手が違ったようだ。 前座のスウェーデンバンド、KENTはけっこう楽しみにしていたんだが、うーん、100%ミディアムテンポが続く、つかみどころのない人たちだった。はっきり言って「おんどれはさっきもこの曲演奏したんとちゃうんかいっ!?」と思いっきり横山ヤスシ化させてくれたバンドであった。 さて、カーディガンズ。だって、1枚目と2枚目しか聴いていなかったためかもしれないが、カーディガンズといったら軽い明るいポッピーなイメージがあるでしょう。だがしかし、ニーナちゃんが黒タンクトップに黒レザーのパンツ、手首にはトゲトゲリストバンドを付けてステージに出てきたときから一抹のイヤな予感というか違和感は感じていた。
演奏が始まるとなんともいえないロック調である。ニーナちゃんを除く男たちはちょっと無理めの観が拭えない苦しいタテノリだ。さらにニーナちゃんは直立不動でクールに歌っている。またバントの知識がないためメンバーがどんな人たちなのかおぼろげだが、どう見てもアフロヘアなイーグルアイ・チェリー似のベースと「こんなヤツグーグードールズあたりにいたよねえ?」って感じのドラマーはオリジナルカーディガンズとは思えない。えー、オリジナルメンバーはどこにいったの?ロックに転向してしまったバンドから去ってしまったのか? ニコリともしないで歌うニーナちゃんはお世辞にもかわいくないし、かといってセクシーでもないぞ。本人はアン・ウィルソンだかアニー・レノックスだか何を狙っているんだか知らないが、痛々しいばかりのとんだドッチラケである。まずもって歌唱力がぜんぜん違うんだから。しかも、タバコの吸いすぎか声を低くして歌っていたせいか、アメリカでも大ヒットした「Love Fool」の高いところがぜんぜん歌えてなーい。せっかく喜んでノろうと身構えてたキッズ(男子過半数)も興を削がれてどう対応していいのかわからないようだ。そりゃトゲトゲリストバンドのお姉ちゃんに「Wise & Shine」とか歌われてもねえ、まったく困るよねえ。
まあ、本人がかわいいワンピース着てニコニコ歌うのに飽きたってんならしようがないけど、バンドは3年前と比べて元気になったが、逆にニーナちゃんは精彩欠けていたような。ただ淡々と歌って、アンコール前最後の曲なんてバンドが飛び跳ねてる最中に手持ちぶさたにキーボードとちょっといじって寂しそげにプイッとステージ袖に消えてしまった。 趣味じゃないけど、いい味出してたポップバンドだったのに。限界を感じてしまったのか?個人的には彼らにはもっとキュッチュ路線をつっぱしっていってほしかったのだが、明かに彼らは他のものを求めている。何を求めてどこに行くんだか? |